歯科受診の新型コロナウィルス感染のリスクはどの程度なの?

ウイルスに怯える女性イメージ

 世界中では未だに新型コロナウィルス感染(COVID-19)が猛威を振るっていますが、日本国内では徐々に収束の気配が見られてきました。しかし、新型コロナウィルスに感染してしまう事を心配するがあまりに、未だに歯医者さんへの通院を控えられている患者さまも少なくないのではないでしょうか。

 先般、国内でも一部の歯医者さんでスタッフにコロナウイルスへの感染が認めらたとの報道がありました。しかし、歯科医師や歯科医療スタッフから患者さまへの感染の報告は現在のところあがっておらず、その他の業種と比べても歯医者さんでの新型コロナウイルス感染のリスクが特別高いという事はないようです。

 当院では、ホームページの【緊急事態宣言による営業と当院の対策について】にも記載させて頂いているように、ディスポーザブル(使い捨て)製品の利用、患者さま毎での器具の滅菌など、徹底した感染対策を行なっております。

 新型コロナウイルスへの不安が完全になくなるまでは、かなりの期間がかかる事が想定されますが、withコロナの時代にあっても患者さまが少しでも安心して歯医者さんに通えるよう、当院ではこれからも環境を整えていく所存です。


虫歯を放置するとどうなってしまうの?

歯が痛い女性

 新型コロナウイルスへの感染を過剰に心配するせいで歯医者さんへの通院を避けて、虫歯や歯周病などの治療を先延ばしにしてしまうと様々な問題が生じます。

 また、最近では、虫歯や歯周病といった歯科疾患が免疫に作用するため適切な歯科治療を受ける事が新型コロナウイルスによる肺炎予防につながるという研究結果もあがっており、お口の健康だけでなく、全身の健康を保つためにも適切な歯科治療を受ける事は大変重要だと考えられています。

 虫歯というのはごく軽い「初期虫歯」の状態を除いて、自然治癒することはないため、大切な歯を長持ちさせるためには早期発見早期治療が大事です。

 虫歯をそのままで放置していると、虫歯の原因となるミュータンスなどの細菌は、エナメル質から象牙質、歯髄(歯の神経)へとどんどん進行していき、虫歯の進行具合に合わせて歯の痛みも激しくなります。

 虫歯の痛みというのは、初期には全く無いのですが、進行するにつれて冷たいものにしみるような痛みがあり、それがだんだんとひどくなって痛みを感じる頻度も高くなります。虫歯の原因細菌が歯髄(歯の神経)にまで到達してしまうと、ついにはズキズキと脈打つような痛みが現れ、痛み止めも効かなくなるほどの強烈な痛みとなっていきます。

 虫歯にはC 1~C4までの段階があり、歯髄(歯の神経)にまで虫歯が到達している「C3」という状態では歯はすでに瀕死の状態(歯髄炎)で、早急に根の治療を行わないと歯髄(歯の神経)が壊死して細菌が骨にまで到達してしまいます。虫歯がC3の段階で治療を行うことができればまだ歯を残すことが可能です。

 ところが、このまま虫歯をそのまま放置してしまうと前述のような、より深刻な状態(歯髄壊死)になってしまいます。歯髄(歯の神経)が壊死すると、実は痛みはスッと消えて、それまでが嘘のように感じるため、虫歯が治ったと誤解される患者さまもいらっしゃるのですが、実はこの時の歯の状態は、歯髄(歯の神経)が死んでしまう事によって痛みを感じなくなっただけで、歯はすっかり溶けてしまい根っこだけになっている「C4」という状態です。C4の段階ではもはや歯を残すことができず、抜歯となってしまいます。


感染が身体中に広がり、深刻な結果を招くことも…

歯科用具

 虫歯というのは歯をダメにするだけではありません。虫歯の原因となる細菌は、歯に留まらず顎の骨の中にまで広がり、顎骨骨髄炎という深刻な感染症を起こすこともあります。

 人間の骨というのは一度感染を起こしてしまうと抗生剤などの薬がなかなか効かず、最悪の場合、感染してしまった骨の部分を外科的に取り除き、金属プレートで再建するという大掛かりな手術をしなければならなくなります。もちろん、そのような場合は顔の形は変形してしまいますし、術後は入れ歯すら入れられなくなってしまう事も少なくないのです。

 また、さらに恐ろしいケースでは、細菌が血管に入り込んでしまって、全身に回ってしまい、心臓や脳に感染を起こし深刻な後遺症を残すことも報告されています。

 そのような事は滅多になく、自分は大丈夫だと思われる方がほとんどかもしれませんが、私が所属していた大学病院の口腔外科では、そういった症状で入院される患者さまが年間で十数名いらっしゃいました。

 歯のことだからと安易には考えず、日頃から定期的に検診に通い、虫歯のチェックを怠らない事がとても大事です!


前田河 史明
記事の監修

歯科医師

前田河 史明

経歴

岩手歯科大学歯学部 出身
札幌医科大学付属病院 歯科口腔外科勤務
2019年 医療法人社団相生会 入職
2020年 あいおい歯科 渋谷センター街医院 副院長 就任