矯正歯科

1 矯正歯科の選び方

矯正を考える人にとって、どこで矯正治療を受けるかどうかは悩みの一つではないかと思います。

矯正専門の医院にするか、大学病院の矯正科にするか、あるいは昔から通っている歯医者さんの矯正診療日に受診するか・・・

いくつも受診してみて、結局迷ってしまって決められないと当院に相談にこられる患者さんも少なくありません。そもそも矯正歯科と一般の歯科医院とは何が違うのかご存知でしょうか?

矯正歯科と一般の歯科医院との違い

私達歯科医師は大学の歯学部を卒業して歯科医師国家試験に合格して初めて歯科医師となります。そこから研修を1~2年経てデビューするのですが、その後多くは一般歯科の道へ、そして一部は専門分野の道へ歩みます。その中でも特に矯正歯科や口腔外科についてはその分野だけを追求するケースが多く、そのため矯正治療を専ら行っていた先生は一般歯科を全くやらない専門の矯正歯科を開業する事が多いのです。

矯正専門の歯科医院や大学病院を選択するメリット

矯正専門の歯科医院や大学病院を選択する最大のメリットはその道の専門家であるという点です。矯正専門医であれば、骨格矯正(外科手術を併用する矯正)のような困難なケースまで幅広く対応する事が可能です。デメリットとしては価格がやや高めの場合が多いのと、一般歯科診療を行っていない事が多いため、矯正治療とは別に月々のメンテナンスやむし歯治療のために別の医院へ通院しなければならないという欠点もあります。

一般歯科で矯正を受けるメリット

一般歯科で矯正を受ける場合のメリットは、メンテナンスやむし歯治療も同時並行で行う事ができるという点と矯正以外の選択肢まで幅広く提案できるという点価格はやや安めな所が多いという点です。デメリットとしては、矯正医の出勤日に合わせて来院する必要がある点と、困難なケースだと対応できない場合があるという欠点があります。

ただ、実際のところ不正咬合(歯並びの悪さ)を主訴に来院される患者さんの多くは骨格矯正が必要なほどではないため、まずは通いやすくて、相談しやすい先生に聞いてみるのが良いのではないかと思います。当院は、一般歯科から口腔外科、矯正歯科まで幅広く対応している総合歯科医院のため、患者さまの利便性を損なうことなく、歯並びに関するお悩みにも専門的にお応えできるような体制を整えています。ぜひお気軽にご相談ください。

2 矯正に抜歯は必要か?

矯正の相談にこられる患者さまから受ける質問で最も多いのが抜歯に関するものです。
  • 「矯正をしたいけど抜歯はしたくない」
  • 「抜歯をせずに矯正をする方法はないのか」

など良く伺います。

ちなみに、この質問に対する答えは“YES”です。

しかし、抜歯をする、しないというのは結果に影響を及ぼすことになります。そもそも、歯並びが悪いという事は原因があってそうなっています。一般的には顎骨が小さいケース、歯が大きいケースなど生えられるスペースが無いせいで出っ歯や乱ぐい歯を生じているわけです。矯正治療というのは、歯に何らかの装置(ブラケットやマウスピース)をつけて力をかける事によって移動させ位置を是正するものです。ですが、矯正そのものでスペースの無いところにスペースを作ることはできません。にも拘らず、歯を無理やり並べた場合、歯のアーチを広げる事になり、歯は並んだとしてもやたらと大きなアーチになってしまい、Eラインは崩れ、むしろ見た目が悪くなるという事もあります。

そのため、

  • 「抜歯をしなくても矯正はできるが、綺麗な歯並びにするためには抜歯をしたほうが良い事もある」

というのが正しい回答となります。ただ、抜歯以外の方法でも歯と歯の間を僅かに研磨する事で、スペースを確保する手段などもあるため、当院ではまず治療後どのようになるのかをご説明させて頂き、その上でどのような方法で矯正治療を行っていくのか、患者さまと一緒に考えるという姿勢をとっています。

3 矯正の値段

矯正治療は多くの場合、保険外治療となるため高額な費用がかかります。保険外治療は医院によって価格が異なるため70万円~150万円とかなり差があります。一般的に地方よりも都市部の方が高く、また矯正治療の方法によっても唇側矯正(歯の表側にブラケットを付けて行う方法)よりも舌側矯正(歯の裏側にブラケットを付けて行う方法)のほうが1.5倍ほど高いケースが多いです。

また、矯正歯科とは別に小児歯科でも矯正治療を行う事があります。矯正歯科の場合は装置毎の費用はかからず、治療完了までの費用をまとめて最初に支払う事が多いのに対し、小児歯科の場合は装置毎に費用を表記しているケースも多くあります。

そのため、価格を比較するのであれば、治療完了までにいくらくらいかかるのかを事前に相談された上で比較検討された方が良いかもしれません。

4 マウスピース矯正ってなに?

近年登場した新しい矯正治療法

マウスピース矯正というのは近年登場した新しい矯正治療法です。従来はブラケットと呼ばれる金属やセラミックでできた留め具を歯の表面に付けて、そこにワイヤーをかける事で力をかけながら歯を移動させるというマルチブラケット法という治療法が主流でしたが、金属のワイヤーが見えるため、他人に矯正をしているのがバレてしまったり、歯の移動の際に痛みがでやすかったり、矯正器具に食べ物が挟まって器具が外れてしまったりと何かと煩わしい欠点がありました。

こうした欠点を補う形で登場したのがマウスピース矯正というものです。

マウスピース矯正ではマルチブラケット矯正とは異なり、ブラケットは使いません。ブラケットの代わりに0.5ミリ~1ミリ程度の透明なマウスピースを用いて歯に力をかける事で歯を移動させていきます。マウスピースは透明で目立たないうえに、取り外し式のため写真撮影など何らかの理由で見えてしまうと都合が悪い場合でも簡単にご自身で取り外すことができます。

また、近年登場したインビザラインというマウスピース矯正法ではコンピュータによるシミュレーションの精度も高まってきたおかげで治療期間も短縮され、マルチブラケット矯正の半分くらいの期間で治療が完了するケースも少なくありません。

ただ、マウスピース矯正にも欠点があります。それは全てのケースで対応できるわけではないという点です。特に抜歯を併用しなければならないケースは場合によっては用いる事が出来ません。しかしながら、それ以外の多くのケースにおいては、マウスピース矯正は従来の矯正治療に伴う不快な欠点を大きく改善した、とても良い治療法だと思っています。

当院ではインビザラインというマウスピース矯正法を採用しています。インビザラインではiTeroと呼ばれる最新の光学機器を用いる事で、従来のような印象材(歯の型を取る際の粘土のようなもの)を用いる事なく、専用の口腔内スキャナーで歯の型を取る事ができます。また、iTeroの簡易シミュレーション機能を用いる事で、スキャニング当日に治療の前後をシミュレーションしてお見せする事が可能となりました。

歯並びの簡易シミュレーションは無料で行っておりますので、歯並びにお悩みの患者さまは是非一度ご相談いただければ幸いです。

5 矯正治療って痛いの?

矯正治療は歯に力をかけて移動させるものなので、多少は痛みを伴います。
痛みの程度は矯正の方法、矯正を行う年齢によっても異なり、強い力がかかるものほど痛みが強く、骨が柔らかい若年者より骨が硬くなった成人のほうが痛みは強い傾向があります。ただ、いずれの方法であったとしても我慢できないほどの痛みが矯正をしている間ずっとかかり続けるというものではなく、矯正を始めた初期が最も強く、ある程度矯正が進んでくると痛みが治まる事がほとんどです。矯正治療は多少の痛みを伴いいろいろ大変ではありますが、治療後に得られる綺麗な歯並びはかけがえのないものです。痛みがあるからといって諦めずに、痛みの少ない矯正方法も検討してみてはいかがでしょうか。